夏のカケラ

僕は試合に出たかった。


出て見返してやりたかった・・・


ヘラヘラしている先輩らにも腹が立っていた。


タケルにも・・・


こんな奴らを出す位なら、俺を出せ!そう叫びたい気持ちの時に、桜川監督が立ち上がった。



「山本、ちょっと口を挟んで良いか?」



桜川監督は笑顔で山本さんに聞いた。


「は、はい・・・」


山本さんは慌てながら答えた。


桜川監督はゆっくりベンチを見渡して、僕らの顔を見て笑った。




「ファースト、高田に代わって二谷!」




桜川監督がそう叫ぶと、アキラが待ってましたとばかり、

「はい!!」

、と叫んだ。