夏のカケラ

何か名門の監督だから、怖そうに思っていたが、良い人そうだな・・・


僕はそう思った。


校長が僕らに、

「さあ、時間を取らせて悪かった。練習に戻ってくれ」

そう言われて僕らは練習に戻っていった。


校長と桜川監督は、そのまましばらく僕らを見ていた。

・・・・・

・・・・・






「どうだ?」


八田は、桜川に聞いた。


桜川は校長室に戻りソファーに腰掛けた。


「・・・みんな練習をこなしているだけだな・・・」

「そうか・・・」


八田は桜川の前にコーヒーを置いた。


「・・・だが、三人いる」


桜川が呟く。


「うん?」

「三人だけ、目的意識を明確に持って練習をしている奴らがいた・・・」

「ほう・・・」