夏のカケラ

「名前は?」

「へ?」

「族の名前」

「あ、ああ!名前ね!・・・・あの・・・き、喜怒哀楽」

「ダサ!」

「しかも意味分からん!」

「い、嫌、怖いんだぜ!ウチの族は!喧嘩上等、尊王攘夷」

「最後のが意味分からん」


カズは困ってキョロキョロし出した。


「あ!チワッす!」


カズが挨拶した。


僕らがそちらに顔を向けると、誰もいない。


「誰もいないじゃねーか」


僕らが振り返ると、カズの姿は消えていた。


「・・・アイツ」

「怪しかったな・・・」


僕らは明日、絶対に吐かせようと思った。

・・・・