夏のカケラ

「今日、お前の家で勉強しようぜ!」


テスト前のある日、アキラが僕に言って来た。


僕はアキラの顔を見た。


「嫌だ」

「じゃあ、これからお前の家に・・・・嫌だ?!」


僕がそのまま帰ろうとすると、アキラが腕を掴む。


「ヒロさん!待って、待って下さい!」


アキラが僕に縋り付く。


「何だよ」

「もう、分かってる癖に!」


分かってるよ。マイが目当てだろ。


コイツも七瀬、七瀬とうるさい。


とにかく、マイはモテる。


アキラは黙ってたら男前なのに、何故かコイツの行動は軽い。


アキラが可哀相になって来たので、仕方無く僕は了承した。