夏のカケラ

「いや、良い!」


僕と坂口だけでは無く、奥野も叫んだ。


お前が言ったらダメだろ。


「・・そう・・・」


マイは僕をチラッと見た。


「じゃあ・・・奥野、私達も行こうか?」


マイがそう言うと、奥野は激しく頷いた。


奥野・・・キモいぞ。


僕らはマイ達と別れると、歩き出した。


「天才だな、坂口!」


僕は笑って言った。


「私、凄いドキドキしちゃった・・・」


坂口も笑う。


ひと仕切り笑った後に、僕は坂口に聞く。


「で、どうする?」

「一ノ瀬はどうしたい?」

「じゃあ・・・カラオケでも行くか?」

「行く〜!」