夏のカケラ

奥野はそう言って、立ち上がった。


「あと、一つだけ。お前のバッティングフォームだけどさ・・・」


そう言って、奥野は僕のフォームを指摘してくれたので、僕は素直に聞いていた。


すると、マイと坂口がいつの間にか僕らを見ていた。


気が付いた僕らが、

「何だよ、いたら声を掛けろよ」

と、思わず照れた。


「いや、二人が結構必死だったから若干ひいてたの」


マイと坂口が笑った。


僕と奥野も顔を見合わせて笑った。


「今から、どうする?」


僕がみんなに聞いた。


「あのさ、一ノ瀬」


坂口が僕に話し掛ける。


「何?」