夏のカケラ

「お前さあ、たまに試合を見ながらブツブツと試合の状況を予測してただろ?」


あー、試合中は暇な補欠だから。


「たまに、聞いてたらかなり的確なんだよな・・・だから、スゲーって思ってた」

「そうなのか?全然そんな事を言ってくれなかったじゃん。むしろ、お前は俺を否定してた」


奥野は笑った。


「まあ、それはあれだ・・・正直、怖かった・・・」

「え?」

「・・お前にポジションを奪われるのがさ・・・」

「・・・まさか、名門に行く奴がか?」

「いや、ホントだ・・・」


奥野はそう言うと、笑った。


「だから、自信を持て、ヒロ!」