夏のカケラ

「いや、確かに・・そうなんだけどさ・・・でも、俺は・・お前ならやれる・・って思ってたんだよ」

「え?」

「俺もさ、やっぱり最後の大会だから勝ち上がりたいからさ、だから最初から、お前に任せようと思ってた」

「嘘だろ・・?だって、見ただろ?俺の悲惨な姿」

「あれは予想を超えた」


そう言って、奥野は笑った。


「でも・・お前は、顧問がいない時とか、リラックスしている時は・・・かなり上手いって知ってるか?」

「え?」

「お前は・・自信が無さ過ぎるんだよ・・」


奥野は僕を見た。


「お前のセンスと、野球の知識は凄いんだぜ」


奥野は再び言った。


「え?」