夏のカケラ

通常の野球部の練習でも、僕は親父連中の言い付け通りした。



全ての練習に於いて、常に試合に出ている事を思い浮かべる。


それにより、緊張感が生まれて僕は急スピードで上手くなって行った。



それは、まるで渇いた砂漠の砂が、初めて水を貰った様な・・・吸収率であった・・・

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「なんか、最近お前上手くなったな・・・」


ある日の帰り道、アキラとカズが僕に言って来た。


「え?そうか?」


僕はニヤけながら、誤魔かした様に言った。


「だって、エラーが全く無いぞ」


カズが僕に不細工な顔を近づけた。


「そうか・・・」