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その後の数日間、私はユージとだけチャットをしていた。

フジヤマはチャットに現れず、YUKIもまた、何故か現れず……。


ユージがYUKIにメールをしたみたいだけど、返事はないようだった。




ユージ>せっかくサクラが戻ってきたのに、なんで来ないんだろうね?




2チャットで話す私とユージ。

私はユージとだけ話しているけど、ユージは2窓当たり前だから、常に『高校生ルーム8』とも繋いでいる。

時々他のルームも覗くらしいけど、やっぱりYUKIの姿はないようだ。




サクラ>そういえば、YUKIが私に電話くれた時……なんか急いでる感じだった。


ユージ>じゃあ、リアルが忙しいのかな


サクラ>そうかも。 もしくは、私と話したくないとか……。


ユージ>むしろ話したいだろw YUKIだってサクラのことスゲー心配してたよ?


サクラ>うん……。




……チャットに復帰したものの、私は今までみたいに元気よく話すことは出来ないでいた。

サクラではなく、桜子としてチャットしてしまっている。


それでもユージは、全然気にすることなくチャットで笑っている。




ユージ>サクラが連絡したらどうよ? そうすればすぐに返事が来るんじゃね?


サクラ>えー? もし忙しい時に連絡したら、迷惑になるじゃん


ユージ>いやいや、実はサクラからの連絡を待ってるかもよ? だから俺のメールは完全無視とかw




画面に映し出されるユージの言葉を見て、クスッと笑う。

ユージはいつだって明るい。 ううん、私に気を遣って明るく振る舞ってくれているのかもしれない。


だけどその明るさが、嬉しい。

上手く笑えていない今の私を救う、たった一つの光のような、そんな感じだ。