……私、誕生日のことYUKIには話してないよね?
なんでわかったんだろ?
「まさに8月19日だけど、なんでわかったの?」
「メアド」
「あ、なるほど」
「ユージも8月19日だよね、多分だけど」
「うんうん、そうなのっ!! ユージの方が1個上だけど、同じ誕生日って凄くない?
ずっとチャットしてた人が同じ日の生まれなんて、『運命かも!?』って二人で話してたんだっ」
同じ日に生まれた人なんて、たくさん居ると思う。
だけどさ、チャットで知り合って、ずっと仲良くしてたユージが同じ日なんて。
それを知った時は本当に驚いたし、凄く嬉しくも思った。
「ユージね、『結婚しようぜ!!』なーんて言って笑って、その日を結婚記念日にしようって考えてて。
チャットのやり取りだから、もちろん本気じゃないってわかってた。 でもなんか……そういう風に言ってくれるのって、嬉しいよね」
「うん」
「あ……ごめんっ……私、一人で何言ってるんだろっ……」
『運命』とか『結婚』とか、そんな話をしてしまったことが、急に恥ずかしくなる。
うぅ……YUKI、笑ってる……。
「……変な女だなって思った?」
「いや、変なのは前からだろ?」
「うー……その言い方は、ヒドい……」
「あはは、ごめん」
木陰に入った私とYUKI。
セミの鳴き声が聞こえる中で、YUKIは小さく言った。
「実は俺も8月19日生まれ」



