……はい?
え、あれ。 えぇ!?
デ ー ト !?
「フジヤマとデートしたって聞いたら、なんか俺もしたいなぁって思って」
「いやいやっ、『話』は!? 大事な話じゃないの!?」
「俺との時間は、大事なものだと思うけど?」
髪をかき上げ、爽やかに笑うYUKI。
フジヤマとは全然違って、リアル爽やかっ!!
とかそんなことはどうでもいいしっ!! え、私とYUKIが、デートですか……!?
「俺みたいなヤツとは一緒に居たくない?」
「そ、そんなこと、ないけどっ……」
「じゃあいいじゃん、ね?」
またクスッと笑うYUKI。
私の手を引いて、バス通りへ……。
「暑いから水族館行こ。 あと3分でバスが来る」
「し、調べてきたの……?」
「まぁね」
「……本当に、『話』はないの……?」
そう聞いた私に、YUKIは例の肯定とも否定ともわからない微笑みを浮かべた。
うぅ……どっちなんだ……。
「まぁ、気にせず今日を楽しみなよ。 ね?」
「うー……わかった……」
「うん、いい子いい子」
まるで子供の相手をしてるかのように、私の頭を撫でるYUKI。
うぅ……人通りの多いところなのに。
でも周りの人たちは、私たちを兄妹だと思ってたりして……?
「……YUKI」
「ん?」
「私、子供っぽい?」
「ふふっ、どうだろうね?」
……って言い方が、もう子供扱いな気がする。
「さ、バスに乗ろ」
到着したばかりの水族館行きのシャトルバスに乗り込む。
今日は月曜日だけど、さすが夏休み。 小中学生、高校生なんかでいっぱいだ。
カップルも多くて、みんな楽しそうに笑ってる。
私たちは隣同士に座り、発車を待つ。
うわー……予想以上に、近い……。



