「サクラも、相当落ち着いてるよね」
「……え? そ、そう……かな?」
「うん、会うまではもっとふざけた感じの子を想像してた」
「……ふざけた感じ?」
「リアルフジヤマを女にしたような感じ」
と言われ、頭の中でフジヤマの格好をした私を思い浮かべる。
……いやいやいや、マジあり得ませんっ!!
「YUKI、フジヤマなんかと一緒にしないでっ」
そう言った私に、フジヤマが『“なんか”とはなんだ』と怒ったように言ったけれど、それを制止してYUKIは言葉を続けていく。
「でも、駅前でサクラを見た時、すぐにサクラだって気付いたよ」
「……そうなの?」
「うん」
私は全然、YUKIには気付かなかったけど……って、それはまぁ、女子大生を想像してたから、仕方ないっちゃ仕方ないけど。
でも、YUKIはすぐに私に気付いてたんだ……。
「……それなら、すぐに声をかけてくれたらよかったのに」
「俺が最初に登場したら面白くないだろう? 全員が揃ったところでYUKIが登場した方が、絶対に面白い」
「……あ、なるほど」
確かにそんな気がする。
現に、YUKIの登場には驚いたし……。
「クソメガネは性悪だな」
「自覚してる」
「ますますイヤなヤツだっ」
フジヤマは口を尖らせてYUKIを見るけれど、YUKIは楽しそうに笑っている。
やっぱり、日頃の憂さ晴らしに来たらしい……。
真面目そうな人なのに、恐ろしや……。
「で、これからお前のことをなんて呼べばいい? YUKIのまんまでいいのか?」
フジヤマがYUKIに問う。
「YUKIでいいよ。 みんなそう呼んでる」
「そうなのか? お前の名前、ゆきちゃん?」
「いや、名字が。 俺、雪村(ユキムラ)だから」
雪村。ユキムラ。YUKIMURA。
そっか、そこからYUKIだったんだ。
私も本名が『桜子』だから、チャットネームが『サクラ』になった。
それと同じようなものなんだ、とわかり、勝手に身近に感じ始めた。
「雪村、ねぇ。 じゃあユージやサクラは? 本名?」
フジヤマの言葉にユージは頷き、私は『まぁそんなところ』と返す。
ユージは本名、私はほぼ本名。と言ったところだ。
「そういうフジヤマは?」
と聞いた私に、フジヤマは首を横に振った。



