私が彼らと出会ったのは、高校に入学した年の5月の終わり。

チャット自体は中1の時からやっていたけれど
、高校受験のため、私は半年くらいパソコンに触らなかった。


その後、無事に高校生となり……久しぶりにチャットした時に、みんなと出会ったのだ。

それから2ヶ月経った今も、私たちは一緒に居る。

夏休み真っ只中だというのに、私はチャットに入り浸り……他のみんなもそうだった。



ユージは高校2年生で先輩にあたる。

それでも、チャット内で敬語を使うことなどほとんどなかった。

というか、タメ口が当たり前の世界なのだ。


だから私は普通に話しかけ、ユージもまた、気にすることなく言葉を返してくれる。



フジヤマは、年齢不詳の自称イケメン。

だけど『俺らの時代はー』とか『昔は携帯すら珍しかったのにー』などというセリフから、私たちよりも年上なんだろう。と、みんな思っている。

おそらく20代後半、もしくは30代。


それなのにフジヤマは『高校生ルーム8』に居て、私たちと常に話している。



YUKIは、20歳の女子大生。

彼女もまた高校生じゃないのに『高校生ルーム8』に居る。

それに対し、『私は永遠の16歳!!』だとか『心は常に16歳!!』などと言って笑っているのだ。


フジヤマとは特に仲が良く、私やユージがログアウトしたあとも二人で深夜まで話しているらしい。



それぞれ個性豊かで、一緒に居て飽きないメンバー。

だからこそ私はチャットを続けているのだ。