すっごく可愛い……というか、美人。

スラッと背が高く、顔はちっちゃくて、モデルさんみたい。

フジヤマはいつも【ババァ】って言ってたけど、全然そんなことはない。

同じ女である私が、ついつい見とれてしまうほど美しい女性……。



再度メールを確認すると、YUKIは【そろそろ駅に行くー】とメールを送ってきていた。

あの人が、やっぱりYUKI?


どうしよう。 私から声をかけた方がいい?

でも怖いから、私に気付いてくれるのを待つ? それとも、確認のメールを出す?


ドキドキで胸が張り裂けそうな状態の中、携帯をギュッと握り締めながら女の人を見つめる。




「え……」




……だけどその女の人は、YUKIじゃなかった。


駅の中からやってきた、同じ年くらいの男の人に手を振り、女の人は駆け出す。

そのまま仲良さそうに手を繋ぎ、去っていった。
……赤の他人だったみたい。

結果的に、声をかけなくてよかったかも……。



時刻は2時50分。 そろそろユージが来るはずだ。

うぅ、また心臓が……。


大丈夫、大丈夫と小さく繰り返しながら、出入り口を隅っこから見つめる。