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そんなこんなで、あっという間にオフ会の日となり。

私の心臓は、朝からバクバク……。



女の子らしい服はあまり持ってないけど、精一杯のお洒落をし……1時間ほど電車に揺られ、待ち合わせの駅に着いたのは午後2時29分。

電車の都合で、30分ほど早く到着してしまった。



携帯からネットにアクセスし、メールを確認。


ユージの到着は2時50分。 乗っている電車が遅れなければ、だ。

電車と新幹線を乗り継いでくるYUKIは、昼頃には到着してたようだ。
でも【待ち合わせの時間まで観光してる】とメールがあったので、まだここには居ないと思う。

車で来るフジヤマは【3時を少し過ぎるかも】と2時過ぎにメールを送っていたみたい。
思ってた以上に、高速が混んでるらしい。




「……どうしようかな」




この街には滅多に来ないから、どこに何があるのかはよくわからない。

……フラフラして待ち合わせに遅刻なんて自体は避けたい。


だから私は、待ち合わせの人がたくさん居るロータリーの隅で、みんなから連絡が来るのを待つことにした。


私はとにかく地味で目立たない。 こうやってロータリーに居ても、誰も私に気付いてないんじゃないかと思う。

幽霊な自分を自覚してるのも、どうかと思うけど……。




「……ドキドキする……」




消え入りそうなその声に、当然反応する人は居ない。

5分、10分と経ち……同じ頃からロータリーに居た人のほとんどは、待ち合わせの相手とどこかへと歩いていった。


残っているのは、大学生くらいの女の人と、20代のメガネをかけた男の人。 30代の男の人。

それぞれ携帯に視線を落とし、時々顔を上げては誰かを探すような素振りを見せる。


……もしかしてあの女の人、YUKI……?