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翌日、私とユージ、YUKIの3人は電車に乗り、フジヤマと待ち合わせしている駅へと向かった。

合流ののち、その足でユキさんの入院している病院へ。


新幹線代などは、フジヤマが出してくれるみたい。

それは『突然の行動に対するお詫び』らしい。








「おーい、妙な3人組ー」




駅前にやってきた私たちに手を振るフジヤマ。

オフ会の時と同じように麦わら帽子をかぶり、サングラスをかけている。

ユキさんに会いに行くのに、無精ひげも健在だ。

……でもまぁ、シャツは普通な感じのだからまだマシかな?




「妙な3人組って、フジヤマの格好の方が妙だと思うけどね」

「なんだとこのクソメガネめっ。 相変わらず黒い服を着やがって!! 暑苦しいっつーのっ!!」

「フジヤマの存在の方が暑苦しいよ」

「うるせっ」




久しぶりに会ったというのに、フジヤマもYUKIも全然変わらない。

なんだかんだと言いながらも、二人は楽しそうに笑ってる。


ふと、フジヤマが私を見た。




「生身のサクラだー」

「……え、ちょっ……!?」

「やっぱりサクラにムギューッとしたいじゃん。 はぁ、幸せだー」




うわわっ。

フジヤマが抱きついてきたっ!!


ここ駅前ですよっ!? たくさんの人が通ってるんですよっ……!?




「調子に乗るな」

「離れろオッサン」




ユージとYUKIの言葉が、ほとんど同時に放たれる。

その瞬間、二人の手によってフジヤマが私から引き離された。