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YUKIがフジヤマに送ったメールは、とてつもなく長いものだった。

内容は、6年前のことから始まり、今日までのこと全てだ。

何度も何度も読み返し、そしてユキさんの写真と連絡先も載せる。


私とユージが見守る中で、YUKIはそのメールをフジヤマへ送信した。












……それから2時間経つけれど、いまだ返信なし。


その間に私たちはそれぞれお風呂を済ませ、YUKIはユージの服を借り、私はお姉さんの服を借り、あとはいつでも好きな時間に寝るだけ。という状態になった。





午後10時40分。

ユージのお母さんが『まだ寝ないのー?』と声をかけてきた。




「桜子ちゃん、しっかり寝ないとお肌に悪いわよー?
それに、私が寝ちゃったら大声出しても聞こえなくなっちゃうからね?」

「母さん、別に何もしないって」

「でも、男女が同じ部屋で夜を過ごすのは危険でしょー?」

「あー……はい、了解」




……ということで。

私はお母さんの手によって、半ば無理矢理にユージの部屋から退室することに。




「何かあったら明日話すよ。 YUKIも寝る部屋用意してあるけどもう行く?」

「もう少しここに居る。 ちょっとパソコンも借りたいし」

「そっか、わかった。 じゃあサクラ、また明日」




ひらひらと手を振るYUKIと、笑顔で私の髪を撫でるユージ。

二人に『おやすみ』を言ってから、私はお姉さんの部屋へと向かった。