………
……
…
「あ、そういえば……ユージの欲しい物って、結局なんなの?」
「あぁ……財布、かな」
「あ、やっぱり!! ボロボロだったもんね」
「うん」
ネックレスを貰った時に、ユージの財布を見て『使い込んでるなぁ』と思った。
そして同時に、『お財布をプレゼントしたら喜ぶかな?』とも思っていた。
だからユージの欲しい物が財布だとわかり、同じことを考えていたんだとちょっとだけ嬉しくなる。
「どんなお財布がいいかな。 シンプルな物の方がいいよね」
「うん、ポケットに入るサイズでかさばらないやつ。 黒か茶」
「じゃあ、どこかで探してみよっ」
ベンチから立ち上がり、ユージに手を伸ばす。
そんな私にユージは微笑み、小さく頷いたあとに私の手を握った。
現在の時刻は午後2時で、4時になったらYUKIが来る。
その時間に間に合うよう、私とユージは駅前に向かいつつ財布を探した。
そして、あちこちのお店を見て回り、無事に財布を購入したのが3時42分。なかなか見つからなくて、時間がかかってしまった。
でも駅までは徒歩10分くらいだから、バッチリの時間かも?



