真っ直ぐ。
ただ真っ直ぐに、ユージは言う。
「俺の方こそ、サクラが思ってるような人間じゃないと思う。
だけどそれでも、俺のそばに居てくれたら嬉しい。 愛してくれたら嬉しい」
風が木を揺らし、私たちの間を吹き抜けていく。
……ユージは、私を受け入れてくれる。 受け入れてくれようと、している。
そして、私も……。
「……私も、ユージのそばに居たい」
迷惑をかけてしまうかもしれないけれど、それでも私はユージのそばに居て、ユージのことを知っていきたい。
チャットじゃわからなかった部分も、そばで、知っていきたい。
「ユージのそばに、居させてください」
好き。
そう。 私は、好きなんだ。
ユージが隣に居てくれると、凄く安心出来て……今日初めて手を握ったけれど、ほんとはずっと、そうしたかったんだ。
チャットの中じゃ繋ぐことの出来なかった手を、この先も繋いでいきたいんだ。
「ありがとう、サクラ。 俺はずっと、サクラの隣に居る」
そう言って笑ったユージは、また私の頭をポンポンと叩いた。
とても優しく、とても温かく。
ユージの存在が、私の心を満たしていく。
それを強く強く感じながら、私もユージに笑みを返した。



