2年は、一緒に。
そう言ったユージは、とても優しい顔で笑っていた。
「2年後も一緒に居られたらいいな。って俺は思ってるんだけど、ダメかな?」
「あ……ううん、ダメじゃないよっ……」
「誕生日だけじゃなくて、それ以外の日も一緒に居られる?」
「もちろんだよっ!! 」
と応えたところで、『あれ?』と思う。
誕生日以外の日も一緒に、って……友達としてってこと?
それとも……もしかして……。
「その『もちろん』っていうのは、『俺と付き合う』という意味で受け止めてオッケー?」
「……っ……」
……うわわっ!!
『もしかして』の方の意味だった……!!
「あ、あのっ……!!」
「桜子、俺と付き合って」
「……っ……」
こ、ここで本名を呼ぶのは卑怯じゃないですかっ……!?
真剣な瞳に真っ直ぐ見つめられて、身動きが取れなくなる。
頭の中は、真っ白だ。
だけどそれでも、私は小さく声を発する。
「わ、私……チャットとリアルじゃ、全然違うから……ユージの思ってるような女じゃ、ないよ……?」
「うん、知ってる」
「じゃあ、どうして……」
「この前も言ったけどさ、」
そう言ったユージは、汗を拭ったあとに微笑んだ。
「俺はチャットのサクラが好きで、リアルのサクラも好き。 だから一緒に居たいって思うんだ」
「ユージ……」
「この前は『付き合うとかあんまり考え込まなくていい』って言ったけど、やっぱり無理。
サクラのことがメチャクチャ好きで、ずっとそばに居たいって思ってる。
リアルじゃ全然会えてなかったけどさ……だけどいつも、サクラを想ってる」



