「椿。俺のこと好き?」



少し腕の力を緩めて、覗き込んでくる。



彼の腕の中なら、意地になって可愛くない自分から素直になれる。そんな気がした。




「北見くんって、ほんと不思議な人ね…。
私、年上なのに…。本当にいいの?」


「年上だろうが年下だろうが…俺は、椿が好きだ。
恋愛に年齢の差は関係ないと思ってる」




そうキッパリと言い切った彼に愛しさが込み上げてくる。




彼になら、素直になって甘えてみてもいいかもしれない。





「………好き…」





ドキドキしながら彼を見上げると、




見てるこっちまでもが幸せな気持ちになる様な極上の笑顔がそこにあった。





「椿。愛してるよ」





甘く痺れる恋の魔法は、私の頑なな心を甘く優しく溶かしていった――。






‐fin‐