「椿、可愛い」


「…嘘つき」


「嘘じゃないよ」


「絶対、嘘よ。私、信じないからっ!!
自慢じゃないけど、男性から一度も可愛いなんて言葉を言われたことがないわ。
気は強いし、高飛車だし、プライド高いし、それに年上だし…。
あなたの取り巻きの女の子達みたいに微笑んだり……っ…ん……」



できないもの…と、最後まで言い終わらない内に触れるだけのキスに包まれた。



「気が強いのに、繊細で脆い。そんな椿が好きだよ。
それに今の言い方って、ひょっとして嫉妬?」



彼は屈託のない笑顔を私に向けてくる。



「…っ…」


「椿、可愛すぎ!!」



彼に抱きしめられた腕の中は、凄く安心できてとても温かかった。