「なんで?」
「なんで…ですって!?
自分がしたことを胸に手を当てきいてみなさいよ!!」
憤慨して怒鳴った私に、彼は悪びれもせず胸に手を運ぶ。
その仕草にますます怒りが募る。
「人をからかうのもいい加減にしてっ!!」
「別に、からかってなんかないけど?」
彼の冷静な態度が癪に障り、
「現に、からかってるじゃない!!
あなたのことが好きな女の子はいっぱいいるんだから、今度から性欲の捌け口はその子達にして頂戴。
ハッキリ言って迷惑よっ!!
今回は、大目にみてあげるから」
息つく暇もないまま、そう捲くし立てた私に。
彼から冷やかな視線が向けられた。

