「えっ…」 簡単に彼の腕から逃れられたことから、つい口から漏れてしまった。 その小さな呟きを聞き逃さなかった彼が。 「えっ…て、なに!? もしかして、もうちょっと抱きしめて欲しかったとか?」 と、口角を少し上げ、意地悪そうな含みのある笑みを浮かべながら私の顔を見つめてくる。