資料室に到着した私達は、手に汗を握る私の掌にある鍵で部屋へと押し入る。 「北見くん。その、ありが…とう…」 机の上に資料をのせる北見時雨に、緊張気味に声をかけた。 しかし彼は、 「……」 先程から黙ったままだった。 いつもの愛想がいい彼らしくないと思い。 「…き、北見くん?」 彼の元に駆け寄り、小首を傾げた。