「怜?なんで?」
「は?なんでって…あのなぁ」
こんな状態であの誰もいない家にほっとけるかっての。
馬鹿、気づけよ。
「…ほっといたらお前飯食わねーじゃん」
俺は素直じゃないから正直には言えない。けど、すぐにあやめにはバレてしまう。
「じゃあお世話になります」
「世話されてください」
まあ、こいつの面倒を見るのには他に理由があって。
いろいろ抜けてて危なっかしいし、
自分がしんどい時まで俺を優先するし、
そーゆーの、不謹慎だけど
すっげぇ可愛くて、片時も手放したくなくて。
普段こんなこと言えないから俺らしくないけど、
もし彼女が風邪を引いたら
『俺はとんでもない甘ちゃんに
なってしまうらしい』