「あたしずっと大嶋君のそばに居たかった。 大嶋君はあたしの太陽で、空になれば、ずっと一緒に居られるって思ってた」 うん、うん、と更に腕の力が強くなっていく。かと思えばふっと力が抜けて、真正面に大嶋君の顔があった。 「夏実、俺夏実の全てが欲しい。 だから、ガマンなんかしなくていいから 俺に全部ぶつけてよ」 優しく見つめられた瞳の中に篭る、 強い光に射止められて あたしは本当の空になった。 <完>