ぼんやりとその様子を伺っていると、突然髪の毛を掴まれてビクッと身体を揺らす。
何事か! 襲来か! 人の背後を襲うとは卑怯者め!
警戒心丸出しで振り向くと、そこにはニコニコ笑顔の大柴の姿があった。
「小西さん、髪の毛増量中? あ、育毛中?」
「どこに育毛せなあかん要素があるんですか!」
「なんでもええけど、茶髪はあかんでー」
「茶髪ちゃう。アッシュベージュや」
「そのドヤ顔やめえ」
「いたっ」
ビタンッ。
出席簿の平たい面でデコを攻撃される。
地味に痛い。
涙目で大柴を睨むと、彼はメガネの奥にある目を細めて、わたしを立ち上がらせる。
「?」
「……ちっちゃ!」
「?!」
ぶっはー!
と、肩を震わせて笑い出す大柴に、少なからず怒りを覚える。
今日も元気に跳ねている毛先めがけて出席簿の角を振り下ろした。
ゴツン。
「いってー!」
「自分は180も身長あるねんから、156センチはちっちゃいやろうな!」
