「吉葉さん、あなたが何故ここに呼ばれたわかりますよね?」
私立カメリア女学園の学長、佐島陽子が威厳のある声でたずねてくる。
「はい。わかっています」
吉葉理香は短く答えた。彼女は校則違反をしたかどで学長室へ呼び出されたのだ。佐島学長は生徒たちに「女帝」とあだ名されるほど厳しい教師である。鬼瓦のごとき形相の佐島が蛇のように鋭い視線を彼女に投げ掛けている。
そんな危機的な状況に置かれているにもかかわらず、呼び出された理香の表情はどことなく涼しげだ。
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