桜の花びらが

君の髪に落ちる


ふわりとひとひら

君の髪を飾る


僕の指先がそれに触れると

君は少しだけはにかみながら

ひとひらを優しく受け取った

君はそれを静かに見つめながら

本の間にそっと挟んだ

柔らかく
儚い一枚の花びら

それは少し君に似ていて

僕はその危うさに
戸惑う



僕らはまた見上げる
淡く美しい
その花びらたちを

桜は二人を見下ろしながら

美しい命を
散らせてくるんだ



季節はいつだって美しく

君に彩ってゆくんだね

僕はそれをずっと

隣で見ていたい

願うのは
ただそれだけ


この花絨毯が

木蓮になり
紅葉になり
雪になっても

君と歩く

それが僕の未来であれ

そう この儚いひとひらに
ひそかな願いを託しておこう