「女王陛下のお心に沿ったまでです」
「――女王..陛下?」
真っ直ぐに伸びた、その声が鼓膜を震わす
ゆっくりと俺達から距離を取って、柱の向こうに広がる緑を見つめる彼女
「この国のすべてです――この国を司る。御方」
「――」
「女王は、あなた方を助けました――だから助けます」
音も無く振り返り、俺の目を見つめて静かにそう言ったグレイス
その言葉に、何か強い意志がこもっている
「――命をかけて」
最後にそう言って、ゆっくり瞳を閉じ
身にまとう衣の裾を持ち上げたグレイス
そして、まるで忠誠を誓うかの様に
小さく膝を折った



