思わずその姿に見惚れていると、ゆっくり瞳を開けたグレイス
そして
「ただ...意識はまだ戻らないと」
「――意識が...戻らない?」
彼女の言葉にガツンと頭を殴られた様な衝撃を受ける
意識が戻らないって...どういう?
「言葉のままです。命は取り戻しても、その瞳を開けるのは――明日か..明後日か..一年後か」
「――嘘だろ..」
「もう私は、あなた様に嘘は申しません」
真っ直ぐに俺を見て、そう言うグレイス
ブラウンの瞳が揺れる事なく、俺を見つめている
その強い眼差しに
嘘はなかった
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