「お父上様はこちらに」 白い扉を手で指示し、目配せをするグレイス その表情にコクンと小さく頷いた 促されるまま、白い木の扉をゆっくりと開ける 木のしなる微かな音と共に、中の光景が目に飛び込む 「――っ!」 真っ白の部屋の中にいたのは―― 「父さんっ!」 ベットの中で眠る、父だった 急いでその側まで駆け寄り、顔を覗き込む そして布団の中に手を入れて、皺の刻まれたその手をギュッと握る その瞬間、感じる温もり