My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




「お父上様はこちらに」




白い扉を手で指示し、目配せをするグレイス

その表情にコクンと小さく頷いた



促されるまま、白い木の扉をゆっくりと開ける

木のしなる微かな音と共に、中の光景が目に飛び込む





「――っ!」




真っ白の部屋の中にいたのは――





「父さんっ!」




ベットの中で眠る、父だった



急いでその側まで駆け寄り、顔を覗き込む

そして布団の中に手を入れて、皺の刻まれたその手をギュッと握る




その瞬間、感じる温もり