My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



頭の中で考えを巡らせていると、ゆっくりと顔だけ振り返ったグレイス

その美しい横顔に、淡い光が差し込む

どこか幻想的なその姿を見て、再び夢の中にいる様な感覚が心を覆った




「お会いにならないので?」




高揚のない声で、ベットの上で試案する俺に問いかける彼女



その瞬間、ハッと現実に戻って

勢いよくベットから降りた



迷うのは後でもいい

とりあえず、今は父の安否を確認しよう


そう心の中で決め

部屋を出た







コツ――・・・コツ――・・・コツ・・・




真っ白な世界に、足音が響く

解放的な、真っ直ぐ続くこの長い廊下に窓はなく

先程までいた部屋と同様、大木の様に並ぶ柱の向こうは外の空間と同じだ



白で統一された美しい建物

それでも、眩しい程の白ではなく

どこか色を落とした、柔らかい白

そして、柱や床には緑の蔦が巻き付いている