My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ


今まで害はないと心を許していたが、一気に警戒心が体を覆う

目の前で俺を見つめる彼女を、じっと見つめた

すると




「よろしかったら、お会いになりますか?」




俺の心を読み取ってか、そう言ってふわりと微笑んでから体を扉の方に向けたグレイス

その瞬間、身にまとった白い衣が宙に舞って広がった

そして薄い衣は太陽に透けてから、ゆっくりと元の位置に戻った



どこまでも美しい、アネモスの一族



それでも、その美しさの中に

鋭い棘がある



これすらも罠か――?

それとも?



様々な考えが頭の中に渦巻く

目の前にいる彼女をどこまで信じていいか分からなくなる