My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「睡眠薬!?」

「えぇ、それが一番早いかと」

「――っ」



微笑んだグレイスの言葉にひやりとする

そして、悪びれずにそう言った彼女にも



飲んだものが睡眠薬で良かったものの

もし毒薬とかであれば



俺は今頃死んでいた――




そう思うと、背筋に冷たいモノが流れた




「ご安心ください。その様な事は、もう致しませんから」

「――父は」

「え?」

「父が無事っていうのは、本当?」




ここまで来ると、さっきまでのやりとりすべてが怪しく霞む

父が無事という事も

もしかして、それすらも

嘘―――?