My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




「あぁ――出ちゃいけなかったのか」




ようやく言葉の意味を理解して、ボーっとしている頭を掻く



あの眠気がなければ、きっと俺はこの部屋を出ていた

それでも、抗えない程の眠気が突然襲ってきて、気が付いたら意識を束成していた俺



急に襲ってきた、あの眠気は

体が疲れていたからだろうか――?



そんな事を思っていると、薄衣を纏め終えたグレイスが柔らかく微笑んだ




「出られない様に、水の中に薬を」

「――薬?」



急に落ちた言葉を理解できずに、思わず聞き返す

すると、そんな俺を見てもう一度柔らかく微笑んだグレイス



「睡眠薬です」



その美しい姿とは裏腹に、恐ろしい言葉を口にしたグレイス

それでも、さもないと言う様にそう言って俺を見つめる彼女