My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ


パタンと小さな音を立てて閉じた扉をじっと見つめる

そんな中聞こえるのは、水の流れる音だけ



小さく息を吐いて、辺りを見渡す

変わらず見えるのは、どこまでも広がる美しい森と絶え間なく流れる壮大な滝

それらを包む暖かな光




「夢じゃ…ないよな」




小さく呟いた後、ベットの背もたれに体を埋めた

真っ白な天井を見つめて、頭の中を整理する




この国に来て、分かった事

それは、銀色の髪の男がホリス

茶色の髪の女性がグレイス



――俺と父を助けてくれた。



父には会わせてもらえないが、きっと危害は加えていないだろう


彼らの言葉には、嘘はない

話していて、分かる




美しく、気高い種族――。