My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「父は?」



そんな彼女の瞳をじっと見つめて、言葉を落とす

髪と同じ色の瞳は俺を見つめたまま、ゆっくりと細められる




「ご心配なさらないで。今、手当を」

「大丈夫なのか?」

「ええ。危険だったとは聞きましたが」

「――今、どこに?」

「ここから少し離れた部屋に」



そう言って、ふわりと俺から離れるグレイス

俺と話している時も、表情1つ変えずに柔らかく瞳を細めながら話す彼女



美しく清らかだけど

どこか現実から、かけ離れた様な雰囲気



その美しさ故だろうか

まるで、夢の中で話している様な錯覚に陥る