「あなたは―――」
突然、水を注ぐ音だけが響く部屋の中に
綺麗な声が響く
「え?」
「名は、何というのです?」
聞き返した俺に、顔だけゆっくり振り返って笑顔で問うてくる女性
まるで魔法にかかった様に動けないでいる俺は、言葉の意味を理解して、ゆっくりと口を開く
「アレン...」
その姿に見惚れながら、自分の名前を無意識にこぼす
「――そうですか。アレン様。私はグレイスと申します」
「グレイス...」
「あなた様の身の回りのお世話を――」
そう言って、ふわりと微笑んで俺の側にやってきた女性
「ゆっくり、お休み下さい――アレン様」
そう言って、白く美しい指を俺の肩に添えた



