My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「あなたは―――」



突然、水を注ぐ音だけが響く部屋の中に

綺麗な声が響く




「え?」

「名は、何というのです?」




聞き返した俺に、顔だけゆっくり振り返って笑顔で問うてくる女性

まるで魔法にかかった様に動けないでいる俺は、言葉の意味を理解して、ゆっくりと口を開く




「アレン...」




その姿に見惚れながら、自分の名前を無意識にこぼす




「――そうですか。アレン様。私はグレイスと申します」

「グレイス...」

「あなた様の身の回りのお世話を――」



そう言って、ふわりと微笑んで俺の側にやってきた女性



「ゆっくり、お休み下さい――アレン様」



そう言って、白く美しい指を俺の肩に添えた