「父をどこへやった!」
勢いよくベットから飛び降りて、男に詰め寄る
それでも、銀の男は顔色一つ変えずに俺を見つめている
そして、あの透き通った声で言葉を落とした
「女王がお前達をお許しになった」
「――え?」
「怪我が治るまで、ここに留るがいい」
そう言うや否や、勢いよく白の衣を翻し
輝く銀の髪をなびかせて
俺に背を向けて歩き出した男
「待てっ! 父は!」
さっきの言葉の意味を俺が理解する前に立ち去ろうとした男を急いで呼び止める
すると、顔だけ横に向けた男
その瞳は決して、俺を見ない
「――案ずるな。命に別条はない」
そう言い残して、俺の次の言葉を待つ前に姿を消した



