My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




「光の国・・・だ」



自然とその言葉が零れた

本当に、そうだと思ったから



この美しい世界を見て思う

光の国だ、と



緑と水に溢れ

光が惜しみなく天から降り注ぐ



どこか、薄いベールに包まれた様な

幻想的な世界



噂に聞いていたより、遥に美しい景色だ

まさに、天国というべき場所―――



「アネモス…」



そこに、俺はいた