My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




「父さんっ!! しっかりっ!!」

「――ァ..レ..ン」



血が喉に落ちて、咽る父

その途端に、草原に赤が撒き散らされる




意識はある――




でも、早く手当をしなければ危険だ

しかし、こんな所で手当てはできない

辺り一面何もない平原は、隠れる場所がない

またゲイルに襲われたら、ひとたまりもない



一気に頭を回転させ、辺りを見渡す

すると




ドドッドドッドドッ




微かに聞こえる馬の走る音





追手だ―――