My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「ここまで来れば、平気だろう」



荒い息の下で、そう言って後ろを振り返る

すると




ドサッ―――





重たい音と共に、背中に感じていた重みが消える

反射的に下を見ると、真っ赤になった父が倒れていた




「父さんっ!!!」




勢いよく馬から飛び降りて父の側に座り込む

朝日に照らされた父は、赤黒く光り

その姿を見て、瞬時に酷い怪我だと気づく