My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「父さんっ!!!」



その声を聞きつけて、目の前の影をなぎ倒して、父の元へ駆ける

しかし、その道を塞ぐ様に数えきれない程の影が襲い掛かってくる



斬っても斬っても、襲い掛かかってくる影




「どけっ!!」




目の前の敵を一撃で倒して、前に進む

それでも、影の数は減る事はなく

束になって、俺に襲い掛かってくる



どうにかして、父さんだけでも――

そう思った瞬間




「ぎゃぁぁっ!!」




後方から、ひずめの音と共に悲鳴が聞こえる

反射的に振り返ると、暗闇の中に1頭の馬がこちらに駆けてくるのが見えた




―――今だ