―――気のせいか・・・? 息を殺して、再び辺りを見渡す 自分の心臓の音だけが、耳の奥で鳴る 握った剣に微かに汗が滲む しかし、変わらず暗闇の中で動く影もなく 変わった様子はない やはり、気のせいか――― そう分かった瞬間、小さく息を吐き 張っていた気を緩めて、握っていた剣から手を下ろす 「寝ぼけてたのか..」 自嘲気に笑って、そう言った 次の瞬間―――