父さんが寝ている時は、俺が見張りをする事になっていた その反対で、俺が寝ている時は父さんが見張りを 旅の時、一番怖いのは 寝ている所を襲われる事だ その時ほど、無防備な時はない そんな時なのに、うたた寝をしてしまった自分が情けない 先程の音を不信に思い、辺りを息を殺して見渡す 焚いていた火は、すっかり燃え尽きて灰になっている 耳を澄ますが、痛いくらいの静寂があるだけで人の気配もしない 真っ暗な暗闇が俺達を包む 燃え尽きた木を挟んで向こう側には、ローブに丸まって眠る父が見えた