My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ


「今日はもう寝よう、父さん。明日一番に俺が道を見てくる」

「あぁ。悪いなアレン」



馬に括り付けていた水も食料も残り少なくなってきた

そろそろ川に出なければ、本当にまずい事になる



最早話す力も惜しい俺達は、早々に休む事にした










ジャリ...





夢の中に堕ちかけていた俺の耳に、微かに何かが砂を擦る音がして目を開ける



あぁ・・・いけない

寝てしまっていた



あまりにも強烈な睡魔に襲われて

ウトウトとしていた


まだ残る眠気を振り払うように、顔を振る