My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



旅をしていると、1日が恐ろしく早く感じる



ただ方角だけを見失わない様に進んでいると

気が付いたら、夕日が沈み

辺りは暗闇に包まれていた



そんな日が3日ほど続き、今日も気が付けば夜のとばりが近づいていた






「ダメだ。これ以上進むのは危険だ」



急に父がそう言って、走っていた馬を止めた

確かに明かりの無い世界で、これ以上進むのは危険だ

道を失いかねない


父さんの言葉に同感だった俺は、馬を止めて飛び降りる